ただし、ダンスはどの蜂も一回だけ。推薦するハチが増えるかどうかは、成り行きに任せるしかない。この方法だと、本当によい候補地だけが推薦するハチの数を増やし、ついに群れ全体での引っ越しを決める。この判断は、ほぼ間違いがないのだという。

 そこで『ミツバチの会議』の著者は、ミツバチのこのやり方を参考に、教授会の発言の仕方にルールを持ち込んだ。「全員が発言を終えるまで、次の発言はできない」というもの。

 声の大きい人は、自分の番の時は自説をまくし立て、他の人が異論を述べようとしたときには「いや、それはね」と発言を遮ろうとするだろうが、「みんな発言し終わったら、あなたの番が来ますから」と言って、黙らせる。こうなると、声の大きな人も黙って聞くしかない。

 この方法だと、普段は発言しないような人からも意見が聞ける。こうした場合、意外な視点を提供してくれることがある。会議の空気がさっと変わって、次の発言者も「今のご意見は大変興味深い」と、掘り下げにかかるようになったりする。こうなると、声の大きな人も、全体の形勢が不利だと感じることになる。

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