そしてもう一つ重要なのが「1対1、もしくはグループで周囲を気にせず話せるパーソナルな空間の提供」だ。これもリアルタイム連絡手段が共有の固定電話しかなかったことと本質は一緒だ。カラオケボックスも漫喫も今ほどわんさか存在しない。いきなりラブホは…まぁだいたいダメであろう。とにかく、プライベートにリアルタイムコミュニケーションする手段がメチャクチャ乏しかったのだ。
 80年代後半〜90年前後に若い人たちがこぞって借金して買い求め、とにかくバカ売れした2人乗りクーペ「日産シルビア」や「ホンダプレリュード」が、一体何と呼ばれていたか、リルタイム世代のアラフィフ以上の人や歴史に詳しい車好きならすぐわかるだろう。そのものずばり「デートカー」だ。ここでクルマの「周囲から隔絶された空間の提供」という価値がフルに発揮される。クルマに拘ったりだいたいみんな詳しかったりしたのも、「デートで使うから」である。かっこいい服を着てみたり、ちょっと小洒落たメシ屋を用意するのと同じ感覚である。カッコつける対象だったのだ。

 しかし今は、ご存知の通り気になるアノ子とのちょっと人には聞かせられないやりとりや、仲間内の秘匿なやりとりは、通話も含め極論LINEだけあればこと足りてしまう。あれ??クルマ、いらねぇじゃん。 

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