(5)さて、ここからが本題だ。

 真犯人、片山氏は、狡猾極まりないトリックを使っていた。
 すなわち、先にも書いた、無実のかなり有力な証拠であった「猫の首輪につけたセロテープの別人のDNA」はトリックだった。このことは、彼が「真犯人メール」で自分でそのネタばらしを書いてしまったことで明らかになった。

 では、佐藤弁護士が、片山氏に聴き取りを行った結果わかったことだが、なぜ彼は、自信を持って、否認を続けることができたのか。

 それは啞然とするような理由だった。
 つまり、真犯人であったからこそ、片山氏は、「携帯から猫の写真が復元できた」などということがあり得ない、つまり、これがデマ報道であることを知っていたのだ。
 となると、なぜ、このようなデマ報道がなされるのか。当然、検察が片山犯人説を強めるためにデマリークをしているわけだが、本当に「堅い」証拠があるなら、こんなデマを流す必要はない。となると、他の「犯人確定」報道もすべてデマではないのか?
 であれば、決定的な証拠など、本当は、何ひとつないことになる。
 それが、彼の「自信を持って否認を続けられる根拠」だった。

 もちろん、彼が真犯人である以上、監視カメラに「猫に首輪をつける決定的な映像」がある可能性もあった。しかし、検察で最初に取り調べがあったとき、検察官が「江ノ島に行ったかどうか」を訊ね、片山氏はもちろんそのこと自体は認めたわけだが、それ以上、なにも突っ込まれなかった。いわんや、証拠の映像(もしあったら、本当に動かぬ証拠だ)を突きつけられることもなかった。そこで、彼は、監視カメラの決定的な映像も存在していないのだと確信したという。
 だとすれば、検察の主張はすべてデマであり、公判は自分に有利になる、彼はそう踏んだ。
 つまり、検察のデマリークとそれに乗ったマスコミの誤報が、もっとも真犯人を利していたのだ。

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