さて、こうした発言の後の質疑応答で韓国育ちだという大学院生風の女性から質問が出た。
「日本は憲法9条をなくすと、また軍国主義に戻るという懸念が韓国にはありますが」

すると、マーティン准教授が待っていたかのように応じた。
「米国は日本に改憲で集団的自衛権を行使できるように求めると、やがて後悔するかもしれない。悪魔がいったんビンから出ると、もう元に戻らないという例えがあります」

フリューストック教授も発言した。「日本に歴史教科書や戦争責任忌避の欠陥がある以上、確かに第9条に触ることには問題があります」

ところが会場から反論が出た。
「全世界の主権国家がみな保有している権利を日本だけには許してはならないというのは日本を国際社会のモンスターとみなすわけですね」

スタンフォード大学の研究員などを務めた日本外交研究学者のベン・セルフ氏だった。同氏は、日本だけにはいかなる軍事力行使も認めるなという主張は、日本国民を先天的に危険な民族と暗に断じ、永遠に信頼しないとする偏見であり、差別だと堂々と論じるのだった。憲法9条を絶対に変えるなという外部からの主張は「危険なイヌはいつまでも鎖でつないでおけ」というに等しい日本隔離だともいう。米国での日本憲法論議も多様で健全になったと感じさせられた。

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